高知県経営品質通信

高知県経営品質協議会(KQN)の活動報告

顧客満足(CS)という言葉をよく耳にするようになり、多くの企業がそれを声高に叫び、お客様の要望の声に応えるようにと働く人に檄を飛ばします。「早く!安く!簡単に!」要望に応えれば顧客満足は上がります。しかし、そのお客様は次回もその会社を継続して利用してくれるのでしょうか?
答えはノーです。お客様は、次回はもっと「早く!安く!簡単に!」を満たしてくれる会社を探すでしょう。競合する他の会社がより大きな「早く!安く!簡単に!」を提供出来ればお客様の心はたちまち離れてしまい、体力のある会社が勝ち残る果てしない消耗戦。そんな環境下では、企業も利益を確保できず社員への待遇も悪化し、働く人が疲労困憊してしまいます。では、この課題を解決するにはどうしたら良いのでしょうか?
学習会に参加する多くの企業の参加者から、自分の会社に届くお客様の生の声を聞いてみると、クレームやお叱りの声は「早く!安く!簡単に!」に起因するものが多いようです。その一方で、「その会社しか利用しない」「その会社なら任せられる」「その会社で良かった」という次回につながるような喜びやお誉めの声は、働く人たちの心のこもった親密な関わりから生まれることが多いようです。
お客様は利用する会社に何を求めるのでしょうか、本当に顧客満足(CS)を得たいのでしょうか?それとも顧客幸福(CH)を得たいのでしょうか?人は本質的に幸福を求めます。その会社を利用することで幸福感を得ることが出来ない場合に、その代わりに「早く!安く!簡単に!」という損得感情を抱くのではないでしょうか。

実践!CH研究塾 実践!CH研究塾 実践!CH研究塾

研修のイメージ

3回の基礎編を終えて、いよいよ10月から始まった応用編。
参加者数も当初の予定を大きく上回り、デイコースのみを予定していた応用編にも急遽ナイトコースが新設されました。基礎編で顧客幸福(CH)の基本を徹底的に学んだ受講者たちは、映像教材等を利用したより具体的な学習に入ります。

まずは、グループに分かれて着席頂き自己紹介から初まるのが当学習会のスタイル。グループ内の緊張が解れたところからが本番です。ここで講師から質問が投げかけられます。「何の為に顧客幸福(CH)をするのか?」などその取り組む目的をメンバーでディスカッションをして対話を深めて行きます。そしてプログラムは進み映像教材へ、卓越した顧客幸福の取り組みで、全国的に注目を集める企業の成功事例の映像を視聴して気づきや学びを得て行きます。再びグループでの共有と発表の後は、最後の「とりまとめ」の講話に移ります。集まった多くの参加者と対話を深めながら、理想的な顧客幸福(CH)の在り方を追求して行くのがこの学習会です。

タイムテーブル

  • グループ内での自己紹介・情報交換
  • 一ヶ月の振り返り(グループ毎に発表)個人での振り返りとグループでの振り返り
  • 講師のレクチャー
  • 映像視聴~高いお客様幸福を実現している企業の成功事例から学ぶ~
  • グループディスカッション(グループ毎に発表)
  • 講師のとりまとめレクチャー

実践!CH研究塾参加者の声

  • ●この研修に参加してみるまで、どうやったらお客様を満足させられるのか?という事ばかりを考えていましたが、今回の研修を終えて「何の為にお客様に満足してもらいたいのか」という目的を明確にした上で、その方法を考えて行く事が大切だと知りました。
  • ●「商品を売るのではなく、人間を売る」その為には本気でお客様の事を考える必要があること。わかってはいるけれど、本気ではなかったような気がします。この感想文を記入しながらも、価格との問題や会社の力をどの部分に集中して力を注ぐのかなど、まだ本気でお客様目線になれていない自分がいるのも確かです。すぐに方向転換は難しいですが、いきたい方向、進むべき方向は決まっているので、今はもっと深く真剣に考えて行きたいです。
  • ●研修を受け、自社でどう活かすかを考えたとき、相手に関心を持つことから始めようと思うが、その相手が誰なのかを考えなければいけないと感じた。お客様に関心を持つ事は当然としながら、まずは身近な人に関心を持つ。これが出来ないとお客様に関心を持つことなど出来ないのではないかと考えた。具体的に何をするかを検討したい。
  • ●毎回研修に来て、レポートをまとめるまではワクワクした気持ちになるが、実際現場に戻ると温度差を感じていた。今日同じテーブルの他のメンバーと対話した際に「苦労の連続です」という言葉を聞いた時に、ああ同じなんだ…と安心しました。焦らずコツコツと自分に出来る事を諦めずにやって行こうと思いました。
  • ●「物」が溢れている今、大切なのは「心」である。「物」から「心」へと売る物が変わって行く中で、大切なのは誰かと心を一つにする事ではないだろうか。従業員同士や従業員とお客様、お客様とお客様。心が一つになった時に、良い事に凄い力で向かって行くのだと思う。商いも最初は親切心で、隣の人と分け合う事から始まっている。それがいつの間にか「お金」というものにだけ囚われて見失ってしまっているのではないか。この部分が、今後私が子供達に伝えて行く必要な事であると思う。
  • ●これまでお客様への接し方や心構えに悩むことも多々ありました。お客様に親身になるというよりもお客様と会社との中立の立場にいることが多いように思います。今回の研修に参加させて頂き、また今までとは違って、もっとシンプルにお客様の幸せや笑顔の為に働くということも可能なように感じました。
  • ●何を目的として仕事をして行くかが大切だと思いました。単に頑張るという心意気だけでは長続きせず、自己満足で終わるような気がします。自分が好きな事や興味のある事は、積極的に目的を見出して、何をするべきなのかもすぐに見つかります。しかし、今の自分では目的を見つけて仕事をするのは、難しいとも感じました。まずは今すべき事を全力でやることから始めようと思います。