高知県経営品質通信

KQN NEWS
第15号
令4年度のテーマ
温故創新

令和4年度開講 学習会のご案内

高知で生を受け、学生時代から安岡正篤氏に師事して論語精神の普及に命を捧げた伊與田 覺(いよた さとる)先師の造語です。
典拠元は論語の言葉「故きを温ね、新しきを知る」
歴史や偉人の生き様を研究して、新しい知見や道理を見つけ出す、という意味です。


激動のこの時代、未来を予測することは困難です。今を見つめ、たしかな一歩を踏み出して生きる、その時代に私たちはいます。
では、たしかな一歩の「たしかさ」は、何によって測ればいいのでしょうか。決められた通りやることなのか、利益を優先するのか、お客様第一主義なのか・・・
いろんな視点で考えることができます。


高知県経営品質協議会の考え方では、経営の「たしかさ」を「目的」から測ることを推奨しています。わが社は何を成すために存在しているのか、その存在意義や大義。何があろうとも護り抜く覚悟を決めた絶対的な価値。それを護るために選択した行動の妥当性、それが「たしかさ」の尺度となるのです。この時代におけるたしかな一歩とは、慎重な一歩というよりも挑戦的な一歩であることが求められているのではないでしょうか。


20年目を迎えた高知県経営品質協議会の挑戦として、舞台劇「流れる雲よ」を上演することと致しました。戦局の極まった年前、決死の覚悟で沖縄に出撃した若者たちがいました。百死零生の特攻作戦。「洗脳されていた」と単純に決めつけるのではなく、彼らが何を想い、誰を愛し、護ろうとして飛び立っていったのか、静かに考えてみることが求められていると考えます。


KQNは「研修会」ではなく「学習会」を企画・提供しています。

一般的に提供されている人財育成プログラムの多くは、役職や職種などで分類した対象者に応じた、知識や技能などの専門力を習得させる「研修」スタイルとなっています。業務遂行に求められるスキルや資格を短期に獲得できることから、様々な研修会が企画・提供されています。
一方、KQNは研修会とは趣旨の異なる「学習会」を企画し、ご提供することに努めて参りました。KQN学習会は、有意義な人生を送るために、同僚やお客様と接する中でいかなる価値創造をしていくのか…といった、本質的な「考え方」の整理をお手伝いします。


学習会に参画することで得られるもの

KQN学習会にご参画いただき、共に目指していくところは「高い影響力」の獲得です。人間として生き、暮らし、働いていく中で、関わり合う家族や同僚、お客様、地域社会に貢献する力とも言い換えることができるでしょう。影響力とは、専門力と人間力の複合によって構成される力であり、リーダーシップの本質です。ぜひKQN学習会の場にご参集いただき、影響力を磨き合う機会としていただければ幸いです。


人間力とは

人間には、ビジョンを描きその実現のための構想を組み立て、実行することによって環境に支配されることなく未来を創り上げていく力が備わっています。それには、未来志向の想像力・創造力ばかりではなく、他者と共鳴する思いやりと忍耐力、協働するための調和力や対話力、諦めない心の強靭さ、向上心など、人間独自の力が求められます。KQN学習会では、そうした力の総体を「人間力」(人間性知能)として位置づけ、鍛錬することで強化していくことのできる能力として、開発のための学びを深めていきます。




KQN学習会の受講者の声

新規職員人財化セミナー

■ 心に残っているのは、「真面目じゃもったいない、一所懸命にやって楽しもう」という講師の言葉です。今までは指示命令に従って業務を終わらせることが仕事だと思い込んでいましたが、それだけでは日々が単調になり、やらされ感が蔓延します。失敗を恐れず挑戦したり、もっと良くしようとこだわる〝一所懸命な姿勢〞が有意義に働ける秘訣だと気づきました。また人見知りの私はグループ対話に苦戦していましたが、年齢が近い受講者が多いこともあり、徐々に悩み・戸惑いを話せるように。そのうち胸に秘めていた想いや夢を語れるようになり、それに対してアドバイスをもらうなど支え高め合える関係になれました。これからは人間関係に臆することなく、たくさんの出逢いを楽しみます。
流通業/女性


■ このセミナーで得た気づきは〝いかに教えられ与えられてきたか〞です。それを痛感したのは、第二講終了後に提示された「次回はみんなに自社紹介をしてもらうので、7分間のプレゼンを用意してきてください」という宿題でした。さらに「必ず先輩と一緒に作ること」という条件つき。就活や新人研修によって会社への理解は深まったはずでしたが、いざ発表内容を考えようとしても分からないことだらけ。必然的に周りに助言を求めることになりましたが、結果、作成を通じて多くの先輩と繋がりを持てただけでなく、組織の歴史や社風に対する共感が高まるきっかけになりました。もうすぐ2年目ですが、分かったつもりになることなく、何事も探究し続ける姿勢を大事にします。
小売業/男性

現場力強化セミナー

■ 受講をきっかけに、「今の仕事は何のため?誰のため?」と意識的に考えるようになりました。7月から新チームが立ち上がる予定で、そのリーダーに抜擢されました。業界として高知県の公共工事を請け負うことが多いですが、発注先の役所や元請との関係性を大事にしながらも、「地域の人々の暮らしを護り、地図や歴史に遺る志事をしよう!」を合言葉にチームづくりに励みます。「一人では限界があるけど、どんな困難・逆境も仲間と一緒なら乗り越えられる」とメンバーに思ってもらいたいです。優柔不断な性格の私ですが、今までのように決断を躊躇する訳にはいきません。少しずつでも「できないだろう」という固定観念を払拭し、「どうやったらできるのか?」と考えて一歩ずつ前進します。
土木業/男性


■ 社歴が長くなり、いつの間にか最年長の立場に。店舗の雰囲気がよくないことを薄々気づいていましたが、これまでは他人事で「誰かが解決してくれるだろう」という感じでした。さらに周りから見える私は、淡々と業務をこなし、話し掛けづらい雰囲気だったことも事実。半年間の学習会を通じて得たことは、「なぜそんな状況に陥っているのか?」の答えでした。それは単純明快で、「頑張っている姿を見てほしい」という私自身の承認欲求の強さが同僚や後輩との関係を阻害していたのです。徐々にではありますが、笑顔を心掛け、「なぜやってくれないのだろう」と考えるのを止め、「それならこうしてみよう」と発言し行動するように努めています。自分が変われば、他の人に良い影響を与えることができる、と信じて日々を過ごします。
サービス業/女性